年賀状マナー集

日ごろからお付き合いのある方はもちろん、ご無沙汰している方にも気軽に出せる年賀状。きちんとマナーを押さえて、喜んでもらえる年賀状をつくりましょう。

年賀状……宛名面の常識

年賀状を書くうえで、まず注意したい点は、出す相手によって異なる宛名の敬称です。宛先に「○○方」とある場合は必ず「○○様方」、宛名が会社や部署宛の場合は「御中」とするなど、表記は正しく使いましょう。

会社 個人なら「様」、組織なら「御中」
○○株式会社 営業課長 佐々木一郎様
有限会社○○御中
部署 「御中」
○○株式会社 営業部御中
恩師 「先生」(退職後でも恩師の敬称は「先生」)
○○高校 小川雅史先生
医師 「先生」(個人的な付き合いなら「様」)
○○病院内科 片桐光雄先生
連名 それぞれに「様」
鈴木一郎様
  雅子様
家族 「○○家ご一同様」
山田家ご一同様
下宿先など 「○○様方 △△様」
山本様方 杉本隆様

年賀状……文面の常識

賀詞や添書、イラストや写真などを載せる面を、「文面」または「裏面」と呼びます。文面の向きは、宛名を書く宛名面の方向に合わせます。一般的に、年賀状の文面は「賀詞」「添書」「年号・日付」「ひと言メッセージ」という4つの要素で構成されています。

1.賀詞

賀詞は、年賀状の冒頭を飾る祝いの言葉です。今では新年のあいさつの文句として定着しており、「迎春」のような漢字2文字以下のものや、「謹賀新年」などの漢字4文字の熟語、文章や英文などさまざまな賀詞があります。
ただし、出す相手によってどの賀詞にするか選ぶ必要があります。
2文字や1文字の賀詞は4文字の略式とされ、目上の方には失礼にあたるので注意しましょう。

  • 目上の方(上司や取引先、親戚)に送る場合「謹賀新年」「恭賀新年」「謹賀新春」
    .....などの漢字4文字の熟語、
    ※目下の人にも使えます。
  • 同僚や後輩、部下、年下の親戚や友人に送る場合「寿」「初春」「賀正」
    「春」「賀春」「迎春」
    .....などの漢字1文字や2文字の熟語
  • 親しい人に送る場合「あけましておめでとう!」「Happy New Year!」「新年おめでとう!」
  • 誰にでも使える万能型「新年おめでとうございます」
    「あけましておめでとうございます」
    「謹んで新春のお慶びを申し上げます」
    「新春(初春)のお慶びを申し上げます」

※「新年あけましておめでとうございます」は、「新年」と「あけまして」が同じ意味を持つため、「新年があけて新年があける」と、二重の表現になってしまいます。気をつけましょう。

年賀状……文面の常識

2.添書(そえがき)

お世話になったことへのお礼や疎遠になっていることへのお詫び、感謝の気持ちと変わらぬお付き合いをお願いする内容などを「添書」として書きます。
文の最後は、先方の幸せや繁栄、健康を願う言葉で結ぶのが一般的です。
結びの言葉は、目上にあたる方には必ず書きましょう。

文例

旧年中のご厚誼に心より御礼申し上げます
本年もご指導ご鞭撻のほど
よろしくお願い申し上げます

お健やかに新年をお迎えのことと存じます
本年のご多幸を心よりお祈り申し上げます

ご無沙汰しておりますがおかわりございませんか
本年もどうぞよろしくお願いいたします

平素のご無沙汰をお詫び申し上げます
皆様にとりまして幸多き一年となりますよう
心からお祈りいたします

3.日付・年号

年賀状の最後には、日付と年号を必ず表記します。
元号と西暦どちらでもかまいません。

ただし、「元旦」には「1月1日の朝」という意味があるので、「1月1日 元旦」と並べて書くのは誤りです。

4.ひと言メッセージ

手書きのメッセージがひと言でも入っているとうれしいものです。小さめの文字でていねいに書きましょう。

年賀状にひと言添えたい! 便利なヒント

送り先に合わせて心のこもったひと言を添えると印象がよくなります。とはいえ、いざ気の利いたひと言となると頭を悩ませます。ここでは送り先や互いの近況に合わせたひと言のヒントを掲載しました。

  1. 長い間会っていない方へ
    疎遠になっている方には、自分の近況や、会いたい気持ちを伝えましょう。
    「多忙にかまけてすっかりご無沙汰しておりました」「今年は、ぜひみんなで集まりましょう」「そちらの近況も教えてください」など。

  2. 新婚の方へ
    新婚の方には、ふたりの幸せを祝福する内容を。
    「おふたりで幸せな新年をお迎えのことと思います」「私もすてきなパートナーを見つけたいと張り切っておりますので、良い方がいましたら、ぜひご紹介ください」など。

  3. 自分が新婚の場合
    自分が新婚の場合は、結婚に際してお世話になったことに対するお礼を添えましょう。
    「おかげさまで、私どもも落ち着いた初春を迎えることができました」「若輩者の私どもですが、今年もご指導お願いします」など。

  4. 子どもが生まれた場合
    年賀状は、家族の様子を伝える手段でもあります。
    「昨年11月に新たな家族が仲間入りしました」「元気によく泣く男の子で、家の中が毎日とてもにぎやかです」「お時間のあるときにぜひ会いに来てください」など。

  5. 転居した場合
    転居先の住所を伝える場合は、ぜひ訪ねてほしい気持ちを添えましょう。
    「先日住まいを移し、心新たに新春を迎えました」「暮らしやすい環境に喜んでおります」「近くにお越しの際には、ぜひ遊びに来てください」など。

  6. 仕事や勉強の近況を伝える
    目標を持って頑張っていることを伝える年賀状は、もらったほうも爽やかな気持ちになるものです。
    「昨年冬に転職し、心新たに新年を迎えました」「今年は○○の資格にチャレンジしようと意気込んでおります」など。

  7. 定年退職した場合
    定年退職した場合は、今までお世話になった方へ感謝しつつ、近況を伝えましょう。
    「しばらくは、妻とのんびりしたいと思います」「以前から興味のあった登山を始めました。○○さんもご一緒にいかがですか」など。

  8. 親戚へ
    親戚には、普段のお付き合いに感謝しつつ、楽しい予定を提案するのもいいでしょう。
    「いつもおいしい料理をごちそうしていただき、ありがとうございます」「今年は、ぜひ我が家でバーベキューをしましょう」など。

  9. 旧友へ
    旧友へは、懐かしい話題や、離れていてもいい友人でいられるような内容がいいでしょう。
    「早いもので、毎日一緒に帰宅していた日々からもう20年ですね」「今年も、お互いさまざまなことにチャレンジしましょう」など。

  10. 恩師へ
    恩師へは、健康を気遣うひと言や、師弟関係のつながりを感じさせるものが喜ばれます。
    「ますますお元気で、幸多き新年をお迎えのことと存じます」「春ごろに同窓会を企画しておりますので、ぜひご出席ください」など。

  11. 親から先生へ
    親から先生へは、子どもが学校や教室を楽しんでいることを伝えるのがいちばんです。
    「○○は、毎日、うれしそうに学校の話をしてくれます」「おかげさまで平泳ぎができるようになり、親子ともども感謝しております」など。

  12. 病気見舞いを兼ねて
    病気見舞いを兼ねる場合は、相手の体調を気遣いつつ、明るい言葉を使いましょう。
    「間もなく退院とお聞きし、ホッといたしました」「病院でのお正月はお寂しいかと存じますが、どうかご自愛ください」など。

  13. 同僚・友人へ
    仲のよい同僚・気の置けない友人などには、お互いを励まし合う内容や、ざっくばらんな雰囲気が喜ばれます。
    「お互い、実りのある一年になるといいですね」「また近いうちに、みんなで飲みに行きましょう」など。

  14. 上司・先輩へ
    先輩や上司へは、日ごろの感謝の気持ちを表したり、仕事への意欲がわかるものがいいでしょう。
    「研修ではていねいにご指導いただき、ありがとうございました」「今年は先輩を追い越すつもりで頑張ります!」など。

  15. 部下・後輩へ
    部下・後輩へは、日ごろの仕事ぶりに対するねぎらいの言葉をかけて。
    「昨年は厳しいことも言いましたが、大変な仕事もよくやってくれていると本当に感謝しています」「今年は、より一層ステップアップしてください」など。

  16. 取引先へ
    取引先へは、今後もお付き合いをしていただきたい気持ちを伝えましょう。
    「本年も皆様のご期待に添えますよう、社員一丸となって努力して参ります」「相変わらずご支援のほど、よろしくお願いいたします」など。

年末年始の挨拶状のマナーQ&A

年賀状を送る期間は?

「年賀」の期間は、正月の松飾りを飾っておく「松の内」までとされています。地域によって異なりますが関東では1月7日までなので、この期間内に届くようにします。早めにつくって12月15日〜25日ごろまでに投函しましょう。

年賀状の返事を出す期間は?

年賀状を出しそびれてしまった場合や、出していない相手から年賀状が届いた場合は、なるべく早く返礼しましょう。「松の内」である1月7日までなら、失礼にあたりません。1月8日以降になってしまう場合は、立春である2月4日までに寒中見舞いを送りましょう。

寒中見舞いの文例

寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な新年の挨拶をいただき誠にありがとうございました
新春の御祝詞をいただきながら
ご挨拶が遅れて申し訳ございません
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いいたします

喪中欠礼状の書き方

「喪中欠礼状」は、年内に身内に不幸があり、新年の挨拶ができない(年賀状を出すことができない)場合に出すものです。基本的には、年賀状の準備の期間を始める11月末から12月初旬にかけて届くようにするといいでしょう。
喪に服していることを伝えるのが目的なので、ほかの用件は書かないようにします。

【1】喪中欠礼の挨拶
冒頭には、もっとも大きな文字で、はっきりと喪中欠礼状だということがわかるように入れます。

【2】誰の喪中であるかを記す
続いて、誰の喪に服しているかを明記します。基本形は「いつ、誰が、何歳で」という構成になりますが、親しい間柄なら、より詳しい情報を入れる場合もあります。

【3】お礼の言葉
故人が生前に受けた厚情に対するお礼の言葉を述べ、年賀状に代わる挨拶としてお世話になったことに対するお礼や来年のお付き合いなどをお願いするほか、相手の健康や繁栄を祈って、結びの言葉とします。年賀状や喪中欠礼状でよく使われる「交誼」や「厚誼」の「誼」は「よしみ」とも読み、親しい間柄という意味です。

【4】年号・月
喪中欠礼状の場合は「年号・月」だけで、日付は必要ありません。なお、★太字★ここで入れる「月」は、身内に不幸があった月ではなく、実際に喪中欠礼状を送る月にします。

【5】差出人の住所・連絡先・氏名
最後に差出人の住所と連絡先、氏名を明記します。電話番号やメールアドレスは入れなくてもかまいません。相手との関係によって決めましょう。

喪中欠礼状の書き方

喪中欠礼状の文例

喪中欠礼状の文例を紹介します。以下は横書きのテキストになっていますが、縦書きで記します。テキストをコピーし、貼り付けて編集してご利用いただけます。

文例1

服喪中につき
年頭のご挨拶を失礼させていただきます

去る九月 祖父〇〇が八十七歳で永眠いたしました
とても将棋が好きな祖父でしたから
病床でも棋譜を手放すことはありませんでした
本年中に賜りましたご芳情に感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます
皆様が良いお年を迎えられますよう心より祈念しております

平成〇〇年十一月


〒一〇二-〇〇〇〇
 東京都千代田区飯田橋九-十三-五アスキーマンション十三号室
 電話 〇三(一二三四)五六七八

 明日来 太郎

文例2

喪中につき
新年のご挨拶を欠礼させていただきます

母〇〇 長らく療養しておりましたが
その甲斐もなく 去る十月九日に永眠いたしました
享年七十二でした
きっと今頃は父と再会し
二人で楽しく語り合っていることと思います
故人の生前にはひとかたならぬお世話になりました
心より厚く御礼申し上げます

平成〇〇年十一月

〒一〇二-〇〇〇〇
 東京都千代田区飯田橋九-十三-五アスキーマンション十三号室
 電話 〇三(一二三四)五六七八

 明日来 太郎

喪中欠礼状のマナーQ&A

喪中欠礼状をもらったときや、喪中に届いた年賀状の扱いについての対処方法を紹介します。

喪中欠礼状をもらったら…

年賀状は控えて、普通の手紙として返事を出しましょう。または、松の内が明ける1月8日以降に寒中見舞いを送ります。

文例(手紙)

このたびはご丁寧なご挨拶をいただき、恐れ入ります。
ご服喪中につき、年頭のご挨拶は控えさせていただきます。
ご家族の皆様におかれましては
おさびしくご越年のこととお察し申し上げます。
寒さ厳しい折から
くれぐれもお体を大切にお過ごしください。

相手が喪中と知らずに年賀状を出してしまった場合は?

1月8日以降に、お悔やみの手紙や寒中見舞いを出します。年が明ける前に年賀状を出した相手が喪中だとわかった場合は、すぐに、不幸を知らなかったことをお詫びするお悔やみの手紙を封書で出します。

文例(手紙)

亡きご尊父様のご服喪中とは存じ上げまず、年末年始のご挨拶を差し上げ、大変失礼しました。
遅ればせながら謹んでご尊父様のご冥福をお祈りいたします。
さぞかしお力落としのこととお察し申し上げます。
寒さ厳しい折から、くれぐれもお体を大切にお過ごしください。

故人宛の年賀状が届いたら…

他界した家族宛に年賀状が届いた場合は、松の内が明ける1月8日以降に、寒中見舞いなどで返事を出します。

生前中にいただきましたご厚誼を 故人に代わりまして深謝いたします

……などと添え、知らせが届かなかった非礼をお詫びします。

また、喪中欠礼状を出していない相手から年賀状が届いた場合も、松の内が明けてから挨拶文や寒中見舞いなどを出します。その際、

新春の御祝詞をいただきながらご挨拶が遅れ、申し訳ございません

……などのお詫び文を添え、故人になったことと喪中であることを伝えます。